【デッサンのコツ】9種類の線を駆使する「農村の家」――写真を超える「絵づくり」のステップ

query_builder 2026/09/06
ブログ
屋外スケッチ

皆様、こんにちは。「平賀美術倶楽部」の平賀です。
今回の課題テーマは、デッサンの重要な基礎となる『9種類の線を覚えること』です。

正確に形を捉える練習に入る前に、まずは表現の武器となる「様々な線」を使いこなすことが欠かせません。線の引き方をマスターしておけば、デッサンに苦手意識がある方でも、生き生きとした表情豊かな作品を描けるようになります。

今回のモチーフ(農村の家)は、車で買い物に出かけた際「これだ!」と閃いて作成した最新の課題です。「一見なんでもない日常の風景も、視点ひとつで素敵な絵になる」という面白さを実感していただける内容になっています。

カリキュラムの段階としては、以前ご紹介した「筆圧の3段階に絞った『猫』の課題」と、「筆圧×太さをフル活用するボリューミーな『小樽』の課題」をつなぐ、ステップアップに最適なステップとなっています。


* 【猫の課題】

https://tokyo-kaiga.com/blog/20210505201116-789/


*【小樽の課題】

https://tokyo-kaiga.com/blog/20210509211519-803/




1. 鉛筆で作る「9種類の線」とは?

デッサンでは、線の太さ(3段階)と濃さ/筆圧(3段階)を組み合わせた「3×3=9種類」の線を使い分けます。


[各3段階の主な用途・効果]


●線の太さ


太 = 柔らかい質感、水面、雲、影など形が曖昧なもの
中 = 万能。太い線・細い線の補佐
細 = 建物などの硬い質感


●線の濃さ(筆圧)


濃 = 近景、暗いもの、最も暗い影
中 = 中景、ハーフトーン(中間色)
淡 = 遠景、明るいもの、光が当たる明るい箇所



💡線を綺麗に引くテクニック
鉛筆を45度に寝かせて持ち、サンドペーパーで削って「ノミ型(門松のような形)」にします。そのままの角度で線を引くと綺麗な太い線が出ます。45度のまま芯のエッジ(角)や先端を使えば、中〜細い線も自由自在に描き分けることが可能です。

畑の風景画
鉛筆デッサン

2. 現実を自由にデザインする「絵づくり」の工夫


通常の課題ではモチーフ写真をそのままトーン化して描きますが、今回は「写真からの変更点」を学び、画面を再構築する「絵づくり」のプロセスを取り入れています。

写真そのままよりも「描き変えた方が美しくなる」と判断したポイントは以下の通りです。



・建物の配置調整: 左側の2軒が重なって見づらいため、少し隙間を作って構造を分かりやすく。右側の家も距離を離し、全体の「粗密」のリズムを作ります。 



・建物のデザイン変更: 中央と右の家屋の間にあるプレハブ物置を、情緒ある木造の三角屋根に変更。



・窓と陰影の演出: 窓をあえて暗く落として存在感を出し、農村の雰囲気に合わせてサイズを少し小さめに設定。



・背景・前景の引き算: 電線を消去してすっきりとした空気感演出(ヨーロッパの田園のような趣に)。木々の形や種類を変えて表情を豊かにし、手前の畑を思い切って省略することで軽やかで洗練された印象に仕上げます。




おわりに


課題テーマは9種類の線を覚えることではありましたが、「絵づくり」は主役を引き立て、バランスの良い配置と心地よい空気感を生み出すために欠かせない作業です。

画面上の配置や形を自分の意図でコントロールできるようになると、線を引くことや着彩すること以上に「自分の手で絵を作り上げる楽しさ」に引き込まれていきます。

当教室の上級生の皆さんも、モチーフを前に自ら「どう絵づくりするか」を楽しくディスカッションされています。

現実の風景をただ写すのではなく、あなたの感性で素敵な「一コマ」へ仕立ててみませんか?


平賀美術倶楽部  平賀太朗

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