一点透視図法と自然物
引き続き一点透視図法で、こちらも教室で行う課題です。
透視図法の課題は完全に建物などの人工物の画像を用いての授業でもよいのですが、生徒さんが描きたいものに、透視線が自然物に隠れて途切れてしまうモチーフも多くあります。
この課題の画像は丸の内オフィス街で、街路樹が透視線を隠しています。
2/4のブログ前後も含め『最も単純で要領の良い形の袋に入れる』という形の捉え方をお伝えしましたが、
URLhttps://tokyo-kaiga.com/blog/20230204-2028/
この復習も兼ねて、「隠れていても透視図法を意識する」というのは良いテーマではないかと思いました。
10/1のブログ
URLhttps://tokyo-kaiga.com/blog/20231001-2079/
で紹介した内容も似たような捉え方ですが、自然物でも、不定形よりも正方形や長方形で捉えられるような図形であればより正確に形どりが行えます。
上図は木の幹を四角い箱でとらえています。
青い線の大きな四角形か、黒い線の小さな四角形でとらえ、それぞれの辺を定規がわりにし、この箱を基準に特徴的な場所を測量しながら形を足していきます。
図のピンクの線が目の高さ(アイレベル)、赤い線が透視線、黒い袋状の線が葉の塊です。
図のように最初から正確な比率と角度で描けませんので、位置関係や建物の角度は描き始めは間違えても構いません。
平賀式分度器(この分度器はオリジナルの道具で特許も考えているのでお見せできなくてすみません😅)なども頼りにしながら、まずは自身でとらえた形どりを行い、徐々に修正を加え、印象を合わせていきます。
あくまでも透視図法は人工物の角度の“確認”のために行います。
写実が好きであればこだわるべきですが、あまり神経質になりすぎても疲れてしまいます。
↑このデッサンはトーンやカラーを入れる前の段階で、鉛筆デッサンと透明水彩のどちらでも仕上げられるものです。
↑最も暗い箇所を探し、先に鉛筆4Bの最大質圧で加筆をします。
明るいトーンから徐々に暗くしていく方法もありますが、初心者はなかなか最大質圧が必要な暗さまで到達できません。
一歩踏み出せず、眠い絵になる傾向があります。
そこで、最初から最大筆圧を入れて、この暗さを基準に、その次に暗い箇所、またその次に暗い箇所へと、徐々に明るくトーンを入れていく方法のほうが、存在感のあるしっかりとしたデッサンに仕上がります。
私自身もこの方法が描き進められやすいです。
次回は透明水彩バージョンを紹介します。
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