【東京/大人の絵画教室】天地逆

query_builder 2022/12/01
ブログ
抽象画

↑《ニューヨークシティⅠ》ピエト・モンドリアン/油彩、粘着テープ/119 x 115 cm/1941年


すみません(⌒-⌒; )11/12から抽象画について5回に渡ってブログを連投しましたが、書き忘れた内容がありました。本日のブログはまた抽象画の話題です。


11/23のブログ

https://tokyo-kaiga.com/blog/20221123-1753/

で紹介したピエト・モンドリアンのニュースが11月1日にありました。



なんと!MoMAニューヨーク近代美術館で展示されているトップ画像の《ニューヨークシティⅠ》が77年間も逆さのままで展示されていたことが判明しました!
ブログで抽象画について書いてみようかと考えていたところ、期せずしてテレビのニュースに出くわしました。



学芸員であるスザンヌ・マイヤービューザーさんというかたが、「格子の線が密になっている部分(画像下部)は、暗い空のように、上にあるべきなのではないか?」と感じたそうです。

ん?モンドリアンのこれらの連作は、私から見たら俯瞰図だと思っていますが、地上から見た風景なのか?、、、


「果たして作品目録の写真の向きは、モンドリアンが意図した向きなのだろうか」と疑問に思ったそうです。

トップ画像の作品写真を見る通り、作品下部には赤・黄・青・黄・黒の5本が横に貼られています。
モンドリアンがアトリエで制作をしている写真が残っていて、その中にニューヨークシティIの制作中の写真がありました。マイヤービューザーさんがその写真をよく確認したところ、その中に写るキャンバスにはこの5本のテープが上部に貼られていたそうです。


正しい向きにするべきという考えよりも、作品の劣化が心配のようです。
作品の向きを変えると損傷してしまう恐れがあるとして、今後も作品の向きを戻さずに逆さのまま展示される予定です。

それでいいと思います☺️


観る側にとって、抽象画は自由にイメージすることが許される絵画です。
逆であろうが本作は心を揺さぶる名画です。

向きが間違っていても、名画となってギャラリーに鎮座しているということは、深い哲学から生み出す配色と図形の組み合わせが優れているということに他なりません。

それに、この作品が私の解釈『街の俯瞰図』だとすれば、天地が逆でも間違いではありません。





モンドリアンは《ニューヨークシティⅠ》を未完のまま残し、残念ながらこの世を旅立ちました。

よって、本作にサインはありません。


画家は、自分の死後もどのように絵が生き続けるかをイメージしながら動いています。

天地は本人が存命であったり、画面や裏面のサインで解るようになっています。
『モンドリアンが逆さまに展示されることも予測して描いていたら面白いな』と思いました☺️



平賀太朗

〔東京の絵画教室/平賀美術倶楽部:水彩画、油彩画、アクリル画、パステル画、デッサン、その他様々な特殊技法が学べます。入会金無し。初日から手ぶらでOK。初心者のかたから経験者のかたまでお気軽にお問い合わせください。〕

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