【東京/大人の絵画教室】生徒作品
久しぶりに生徒作品のブログです。
本作のモチーフは、岡山県高梁(たかはし)市にある吹屋ふるさと村です。
金属を精錬・鋳造する職業や職人、およびその細工場を吹屋と呼ばれていました。 ベンガラ生産も盛んで、ベンガラとその原料であるローハで巨大な富を築いた吹屋の豪商たちが後世に残したふるさと村の日本遺産は、石州瓦とベンガラ漆喰壁の赤い外観で統一された町並みが特徴です。
ここで生産されたベンガラは、社寺、九谷焼、伊万里、焼輪島塗などの建築物や工芸品などに使われ、全国に流通したことで日本のイメージカラーである「ジャパンレッド」を生み出しました。
さて、トップ画像の作品ですが、構図が面白いですね。
さすが長く通われている生徒さん、地上から見た安定の風景を知る一方で『この俯瞰が面白い』と思えるのですね👍
加えて、モチーフ写真はまだ下方に続くのですが、画像全体をそのまま描こうとせずに、自身が『これだ!』と判断したトリミングをしています。
・画面の主役級となる赤い屋根のアクセントが効果的です。
・そのレッドを囲うように、同系色のオレンジが協力しあっています。
・オレンジも同じ色やトーンが続かないように配慮されています。
※写真そのままに表現すると単調になってしまいます。
・細かい瓦のタッチも色と粗密のリズムが考えられています。
・オレンジの中にも補色のブルーを登場させています。
・同様に、レッドの近くに補色のグリーンが添えられています。
※同系色と補色は近くに置きます。隣接させることがより望ましいです。
・主役周辺を意図的に暗い色で重くしています。
※拠点は周囲よりも目立たせるようにします。
主役をより効果的に見せるために、右側の暗い色と木のグリーンを淡くするとさらに良くなりますが、透明水彩は、乾いてしまったら淡くできないのが弱点です。
本作をエスキースにして、違う構図でリトライしても良いですね☺️
※エスキースについては10/29、11/3〜6のブログで書きましたが、今回の内容に近いものは11/6です↓
https://tokyo-kaiga.com/blog/20221106-1616/
隅々までよく絵づくりが考えられた見応えのある作品です。
この図形の組み合わせが面白いと思うのですから、昨日のブログに書いた抽象画の巨匠、ピエト・モンドリアンのように変化していくかもしれません(´⊙ω⊙`)
こちらの生徒作品から上記の文化を知ることができました。
私などの引き籠り貧乏画家にとっては、全国のみならず、海外をも知っている生徒さんたちから学ぶことは多く、大変ありがたく思っています。
将来的に、YouTubeで平賀美術倶楽部の授業内容などを発信しようと思っていますが、文化遺産や景勝地の知識も増えましたので、旅先のスケッチ動画も取り入れたいと考えています☺️
平賀太朗
〔東京の絵画教室/平賀美術倶楽部:水彩画、油彩画、アクリル画、パステル画、デッサン、その他様々な特殊技法が学べます。入会金無し。初日から手ぶらでOK。初心者のかたから経験者のかたまでお気軽にお問い合わせください。〕
NEW
-
query_builder 2023/11/11
-
二点透視図法(ワシントン州、ビクトリア朝の家①)
query_builder 2023/11/02 -
二点透視図法(鳥房)
query_builder 2023/10/13 -
二点透視図法
query_builder 2023/10/10 -
一点透視図法の水彩
query_builder 2023/10/09