平賀流、絵の価格の決め方

query_builder 2024/07/01
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展覧会情報

2024年7月7日から生徒さんによるグループ展『水美会展』があります。


『水美会(スイビカイ)』は2002年から続く小学館アカデミーに通う生徒さんが運営する絵画サークルです。
私も勤務していましたが令和元年に独立し、ありがたいことに水美会会員の半数以上は平賀美術倶楽部に通われています。

今日まで初期からの会員による運営を行なってまいりましたが、今後の更なる高上が期待される中、会員からの相談があり、長きに渡る各役割担当者の負担軽減策が必須と考え、若手会員が育つまでは私が全ての担当を務めることになりました。

 今年から新たな試みがあります。

展示会場を運営している交通会館ギャラリーからの要望もあり、今回から作品の販売を試みることになりました。強制ではありませんので、もちろん非売でも問題はありません。
 
一般のギャラリーでは売約後の入金から数十パーセントをギャラリーへ支払うシステムですが、こちらのギャラリーでは100%作者に入ります。
 
販売価格は作者の希望価格ですので特に決まりはありませんが、
「幾らでも自由に決めいいのでは?」
と言われても、価格が決められなくて悩むというかたは少なくありません。

以下は会員さんにも向けた、あくまでも私の考える価格の目安です↓
 
 
例1)美術学校を卒業した時点で0号(長辺18㎝)で5,000円+額代。
   0号を1として号数を掛け算したものを価格の基準とします。
※生徒さんの作品もレベルが高く、号5,000円以上の価値があります。
 

例2)1日(8時間制作で仮に日給1万円)に制作日数を掛け算します。

 また、安価では売りたくないという作品への強い思い入れや秀作の誕生を感じたら、作品とよく相談して上記の例以上に価格を上げるべきです。
 「お気に入りで売りたくない作品は1億円にするとかはどう?」という冗談も言っておきました😁ww



◎プロの場合は、、、
 
因みに余談ですが、画家の場合は、売るために額代を足さないかたもいます。
プロを目指し、名のある画家になるためには新人は泣かねばならないということです。
 
私の場合はキャンバス0号8万円(額代込)で、各サイズに8万を掛け算していきますが、単純に掛け算をしますと100号(長辺162㎝)が800万になってしまい売れません。
ですから10号で35~50万円、50号で80~100万円、100号で150~180万円程度にしています。
上記の日給のように制作時間(私の場合は1日約10時間=2万円)で決める場合もあります。


 
画材によっても価格が変わります。キャンバスにアクリルや油彩、オイルパステルですと高く売れます。また、これらの画材で絵が良くても紙に描かれたものは安くなる傾向があります。作家はもちろん画商も困っているようです。

紙の場合、私は耐久性を上げるために両面にメディウム+ジェッソのコーティングを施してからアクリルで描きますが、透明水彩で描けないのが難点です。
完成後は紙焼け防止にUVカットスプレー(ホルベイン)を吹きつけています。紙ではなく、キャンバスですと当然高くします。

あとは画廊主と相談しながら調整します。



画廊主で思い出しましたが、例えば銀座の日動画廊は迷わず高値をつけることもあります。「あえて高くして作品を優れたものに見せる」という考えもさすがです。
ただし、流行もありますので高すぎると急に売れなくなることもあります。
情報の出所は忘れましたが、流行やバブル期に高値だった作品が、不景気などで価格の桁を下げる例もあったと聞きます。桁?ホントかな〜😓

現役であれば一度付けた値は、印象も悪くなるのでなかなか大幅に下げられません。
その点、私の父(平賀敬)は有名ですがそれほど高くしませんでしたので貧乏なりに安定していました。
物故者となり生前よりは高くはなりましたが、その分得た金銭で、一緒にどんちゃん騒ぎをしたかったな〜🍶🍻🍺🍾🍷


一升瓶を傍らに置き、焼酎のお湯割りを片時も離さなかった赤鼻の父は
「1枚でも売れると嬉しくて画家をやめられないんだよ」と言っていました。

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