猫ちゃんのオーダー
鞄職人の妻、nanao bagのお客様からアクリル画作品の注文がありました。
「なるべく“おブスちゃんな”猫」という注文で、参考画像も頂いています。
平賀美術倶楽部で契約しているサイトの画像素材を探していたのですが、いくら探せども、ご依頼者様から頂いた猫画像が理想のブサイクちゃんなのです。
著作権の確認をしましたら、そのかたが撮影した愛猫の画像でしたので、モデルは即決でした🐈
本作のタイトルは「十二支への憧れ」。今年令和6年に、大変お世話になっている小田原お堀端画廊(新春グループ展)に出品し、作品に箔をつけてからお渡ししようと考えました。
会期中に売約があった場合は、背景のデザインを少々変えてもう一枚描くつもりでした。
サイズは540×540㎜のスクエアです。
近年では額無しで展示している画家も多く、また、スッキリと軽くオシャレな額無しで室内に飾るかたが増えてきましたので、額に入れなくてもよいようにキャンバスではなく、側面もフラットなシナベニヤのパネルにしました。
作品の支持体に吊り紐金具を装着しましたが、もちろん好みで額に入れるのは自由です。
猫ちゃんののほほんとした表情から春のイメージが合うと思い、桜色(ルミナスピンク+ホワイト)の背景とその反対色の若葉色(リーフグリーン)を主として、アメリカンポップアートのように極力無駄を排除し、軽く、垢抜けた表現に至りました。
・補色(反対色)=ピンク⇄リーフグリーン
・同系色 =イエローグリーン⇄グリーン⇄ブルーグリーン
これらの配色で支配すれば色同士が美しく輝く画面になるのは必至です。
ですが、プロはこの相性に頼らないこともあります。
私は「グリーン⇄バイオレット」の組み合わせが好きです。
恐れや不安を感じさせたい場合は「暗い青⇄赤」を組み合わせることもあります。
色には明度があります。
写真とは全く異なる配色でも、色が持つ明度を知れば立体的に見せることができます。
この配色をフランス語の美術用語でバルール(valeur)と言います。
作品は無事に届いたそうで、早速お礼のメッセージがありました。
実は数年前に天に召された猫さんで、モデル選びは作者である私の考えを優先していただきつつも「絵にするならこの子!」との思いがあったそうです。
依頼者様の猫さんを選んでこころより良かったと感じました。
「鬱陶しそうに目を開けた顔が絵になるとまた違った可愛さで、ポップで明るい色合いが可哀想な姿の記憶を上書きしてくれて、心も軽くなりました。」
という大変有難いお言葉をいただきました。
一生画家人生、今後も御魂いれの創作が続きます。
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