【東京/大人の絵画教室】生徒募集中
トップ画像の鉛筆デッサンは、生徒さん(Fさん)がご自宅で描かれた作品です。
普段は透明水彩画を描いていて、ご自宅で描いてきた水彩を毎週見せてくれるので、「Fさんのコーナー」という添削時間が授業の初めにあります。
Fさんは水彩のテクニックも優れているのですが、やはりその水彩作品の質を高めているのは線です。線を前面に活かした着彩です。
その力添えの強さが本作に現れています。
トーンを入れるときに画家は並行に走らせた線を集めることがあります。
『ハッチング』という技法です。
ハッチングとは、英語で「細かい平行線を引く」という意味があります。
例えば暗部を描くときに、筆圧の強弱や鉛筆の芯の硬さでトーンを操作できますが、ハッチングは、線と線の隙間を密にすれば暗くなりますし、交差させて線を重ねることでも暗くできます。交差させることを「クロスハッチング」といいます。
ハッチングの線は、同じ角度を維持して仕上げてもよいのですが、上手くトーンの変化を作らないと画面全体が平面的になってしまいます。
木や山の起伏を表現する場合は、斜線の角度を少し変えたり、交差させることで質感や立体感を生み出します。
本作はそのハッチングの特性をよく理解して描かれていますね!
線を引くスピードもプロ級です。
私たちを暖かく見守り、多くの恵みをもたらしている山ですが、霊的な恐れを感じるような重厚なデッサンに仕上がりました。
生徒さんたちが、自分の好きな表現で絵と教室を楽しんでいただけることも私の幸せですが、プロの世界の絵は中途半端は良くありません。
「徹底的に激しい」「徹底的に優しい」「徹底的に色彩家」「徹底的に細密」「徹底的に王道」等々、突き抜けるくらいの徹底さが望ましいところです。
叫ぶような荒々しい線で、“徹底的に”描き込んだデッサンを生徒さんの絵で見たかったのですが、19年目に叶いました。講師を続けてきて本当によかったと思わせる一枚でした☺️
平賀太朗
〔東京の絵画教室/平賀美術倶楽部:水彩画、油彩画、アクリル画、パステル画、デッサン、その他様々な特殊技法が学べます。入会金無し。初日から手ぶらでOK。初心者のかたから経験者のかたまでお気軽にお問い合わせください。〕
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