【東京/大人の絵画教室】生徒作品
引き続き生徒さんの作品です。
モデルはご自宅で飼われている猫ちゃんです。
短毛種で、お顔、足先、しっぽがグレーや黒であることが特徴のシャム猫です。
画像でわかるようにかなり画力のある作者は、先月11月に入会したばかりの中国から来た笑顔の素敵な女性です。
聞いたことを素直に実行し、よく質問もしてきます。20代と若く、日本での永住を考えているそうですので、将来もしかしたらこの教室の講師になるかもしれません☺️
デッサンやイラストをほぼ独学で描いてきたかたで、スキルアップを図るために平賀美術倶楽部の門を叩いてくれました。とてもありがたいです。
さて、もう一度画像の作品を見てみましょう。
独学なのに素晴らしい仕上がりですね(´⊙ω⊙`)!
教室では筆圧は3段階でよいと言っていますが、本作のデッサンには9段階以上ありそうですね。
そうなんです。あまり難しくさせたくないので、最低限、明中暗の3段階で絵になるということを教えていますが、理想は、明のなかの3段階、中のなかの3段階、暗のなかの3段階で、合計9段階のトーンにすることです。
ちなみにプロは12段階以上出します。
トーンのみならず、すでに絵作りをしているのも驚きです。
写真では床がもっと暗いのですが、光の演出を施しています。
この床の光がないと、猫の胸部の光がことさら強調されて孤立してしまう恐れがありますし、この光によって絵全体の印象も明るくなります。
絵を見てすぐに分かったことがあります。
上記の技量以上に大切な宝物を持っています。こちらの生徒さんの大きな持ち味は、『ぼかし』です。
画用紙のおもて面のザラザラを利用して、芯を画面から離さずに往復させながら、擦るように描き進めています。
擦る描き方は大抵の場合、ぬめりのあるような質感になってしまいますが、それが全くありません。
教室では鉛筆デッサンは、画用紙の裏面、ツルツルの面で練習します。
芯も往復させずに一本一本確かめながら描いています。
初心者にとっても経験者にとっても、自身が持ち合わせていない能力を新たに手に入れることで、表現の幅が広がり、鉛筆の操作もより楽になるようにカリキュラムは考えられています。
よって、本作の生徒さんも、教室ではカリキュラムのテキストに沿った描き方に付き合っていただいています。
そしてご自宅では、好みの描きたい絵は、擦る描き方を生徒さんの中で唯一許可しています。許可というより、この描き方もオリジナル性を伸ばすためです。
まだ図形や明暗のリズム作りと透視図法などの課題はありますが、習得にそう時間はかからないと思っています。
ですので、本作の生徒さんを今後とくに強化していきたい表現方法は以下です↓
絵は写真ではありませんので、図形の輪郭を線で表す作品は多くありますが、
そもそも物には輪郭線は存在しません。
線ではなく、明暗や色の図形の組み合わせですので、各トーンの面で境界を作る描き方が超写実です。
画面全体がぼんやりしますが、それがよいです。あえてそこに徹して、誰とも被らない、優しく穏やかな彼女らしい作風に育っていくに違いありません。
平賀太朗
〔東京の絵画教室/平賀美術倶楽部:水彩画、油彩画、アクリル画、パステル画、デッサン、その他様々な特殊技法が学べます。入会金無し。初日から手ぶらでOK。初心者のかたから経験者のかたまでお気軽にお問い合わせください。〕
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