【東京/大人の絵画教室】抽象画
↑白髪一男の制作風景
昨日のブログで「抽象画には大きく分類すると3タイプある」と書きました。
・心が導いた色や図形の表現
・アクションペインティング
・具象物を抽象化
本日は2つ目の『アクションペインティング』について書きます。
アクション・ペインティング(Action painting)、もしくはジェスチュラル・ペインティング(gestural abstraction 、身振りによる抽象絵画)とは、顔料を紙やキャンバスに注意深く塗るかわりに、垂らしたり飛び散らせたり汚しつけたりするような絵画の様式である。できた作品は、具体的な対象を描いたというより、絵を描くという行動(アクション)それ自体が強調されたものになる。
※出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
今回は巨匠2人を紹介します。
これらの作品は、一見すると無作為に描いているように感じますが、偶然生まれた模様を操作し生かす行動は、数学者のように深く計算されています。
白髪一男(1924〜2008)
彼の描き方は、トップ画像のように床にキャンバスを置き、天井からぶら下がったロープにつかまり、裸足で絵の具を混ぜながら描きます。晩年までこの手法を用いていました。
1960年後半から精神的な向上を求めて、密教に関心を抱き始めます。
比叡山延暦寺で得度したその後の作品には、密教の影響が色濃く表れます。
アクション・ペインティングによる制作の前に、精神を集中させるために不動三尊像に祈りをささげるなどして、精神統一をはかるようになりました。
魂入れ、開眼法要のような精神で画面に向き合っているのですね。
2018(平成30)年の6月にパリで行われたサザビーズのアートコンテンポラリーイブニングセールで、白髪一雄が1959(昭和34)年に制作した『高尾』(縦182cm、横273cm)が約11億3,000万円という大変な高値で落札されて注目を浴びました。
作品画像の2番目の絵がその『高尾』です。
ジャクソン・ポロック(1912〜1956)
ポロックの描き方は、ペンキの底に穴をあけて、顔料をキャンバスに向けて放り投げる、直接叩きつけるなどの方法を用いています。
彼が開発した技法は多くあります。
・ドロッピング = 顔料を跳ねちらし、したたらせる
・ポーリング = 緩く溶いた絵の具を流し込む
・スプラッタリング = 絵の具を含ませた筆を振り、飛沫を打ち付ける
彼が最も衝撃を受けたのは、反戦を主題にしたピカソの「ゲルニカ」でした。
「ちくしょう、すべてピカソがやってしまった」と語るほどピカソに対して壁を感じていた中で、ポロックはピカソを超えるような新たな表現を模索します。
「アクションペインティング」という言葉の起源を作った彼は、確かに誰とも被らない作風になりましたが、ピカソのコラージュに影響され、鋲や鍵、絵の具のチューブの蓋、マッチ、たばこの吸い殻などが使用されている作品もあります。
ピカソをリスペクトしていたのがわかりますね。
作品画像1枚目の作品は、2006年11月のサザビーズオークションで、当時史上最高額の約1億4000万ドル(当時のレートで約162億円)でメキシコ人投資家に落札されました。
2枚目は晩年の作品です。
ちなみに昨日のブログで紹介したフォンタナが1億4000万円、カンディンスキーが47億円で落札されています。
恐ろしい世界!(◎_◎;)
次回のブログは、3つ目の『具象物を抽象化』について書きます☺️
平賀太朗
〔東京の絵画教室/平賀美術倶楽部:水彩画、油彩画、アクリル画、パステル画、デッサン、その他様々な特殊技法が学べます。入会金無し。初日から手ぶらでOK。初心者のかたから経験者のかたまでお気軽にお問い合わせください。〕
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