【東京/大人の絵画教室】抽象画
《吹雪》ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー/油彩/915×1220㎜/1842年
昨日の抽象画に引き続き、今回は有名画家の抽象画を紹介します。
一般的に『抽象画』とは、具象画のように風景や人物などの存在するものを具体的に描かれたものではなく、存在しないものを描いた絵のことです。
心が感じたものを、色や図形で可視化させた芸術表現です。
抽象絵画の祖は、美術史上ではカンディンスキーやモンドリアンと言われていますが、私はトップ画像の作者、ターナーだと思っています。
ターナーについては機会があれば名画解説で紹介します。
抽象画には大きく分類すると3タイプあると思えます。
・心が導いた色や図形の表現
・アクションペインティング
・具象物を抽象化
本日は1つ目の『心が導いた色や図形の表現』から始めます。
ワリシー・カンディンスキー (1866〜1944)
カンディンスキーは具象画からスタートしていますが、幾何学模様の作品が有名です。
彼は、アトリエの床の傷や絵の具のしみを、よく観察しながらデッサンしていたという話を聞いたことがあります。
これら作品の模様は、このデッサンからも生まれているのですね。
カンディンスキーは、作曲するように絵を描く方法を選びました。
「音楽は絵画のように具体的に何かを模倣したり、再現することなく、純粋な音の連鎖だけで人を感動させる」
と感じた彼は、音楽を絵画に落とし込むことは可能なのではないかと実験を始めました。
後日、「色はキーボードで、目はハンマー、精神は多くの弦からなるピアノだ」と語っています。
また、彼がモネの展覧会を観たときに、《積みわら》の絵を前に強い感動を覚えながらも、それが何を描いたものか解らなかったといいます。
この時、「絵というものは、具体的に何を描いたか解らなくても、純粋な色や形だけで成りうる」と確信したそうです。
ルーチョ・フォンタナ(1899〜1968)
ナイフで画面を切り裂く作風はアクションペインティングにも似た行動ですが、切る線の位置や長さは計算し尽くされていると感じます。
「 画家として、キャンヴァスに穴を穿つ時、私は絵画を制作しようと思っているのではない。私は、それが絵画の閉鎖された空間を越えて無限に拡がるよう、空間をあけ、芸術に新しい次元を生みだし、宇宙に結びつくことを願っている」
と彼は語っています。芸術学ではなく、哲学的ですね!(◎_◎;)
これらは、「考えてはいけない!感じるのだ!」といった絵です。
絵画教室向きではありませんが、このような絵を観るのも視力アップにつながります☺️
今回は『心が導いた色や図形の表現』の作品を紹介しましたが、次回は抽象画2つ目の表現『アクションペインティング』について書きます。
平賀太朗
〔東京の絵画教室/平賀美術倶楽部:水彩画、油彩画、アクリル画、パステル画、デッサン、その他様々な特殊技法が学べます。入会金無し。初日から手ぶらでOK。初心者のかたから経験者のかたまでお気軽にお問い合わせください。〕
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