【デッサンのコツ】モンマルトルのカフェを描く――「1:2の箱」と挫折しない分割のステップ
皆様、こんにちは。「平賀美術倶楽部」の平賀です。
前回に引き続き、人工物(建物、瓶、器物など)の形を正しく捉える基礎技法『描きたい対象を四角い箱に入れる』の応用ステップをご紹介します。
👇【前回の記事】
形づくりの第一歩!「四角い箱に入れる」捉え方
今回のモチーフは、パリのモンマルトルにある味わい深い建物です(正面視点)。
1. 「最も計算しやすい箱」を定義する
まずは建物を丸ごと大きな四角い箱に収める作業から始めます。
屋根も含めて全体を大きな箱にすることもできますが、今回は数値的に最も要領の良い「壁面全体」を箱として設定しました。比率は【縦:横 = 1:2】です。
画用紙に1:2の箱を描き入れたら、この基本の箱をベースにして、後から屋根部分のパーツを足していきます。
2. 大→中→小→極小へと「部屋割り」を進める
全体の箱ができたら、主要なパーツの位置を大まかに確認しながら分割していきます
💡形をずらさないコツ:「まとめて箱に入れる」
同じ大きさの窓や壁面の看板文字などは、決して端からひとつずつ描いてはいけません(必ずズレが生じてしまいます)。
画像3のように、「複数の窓や文字をひとつの大きな四角い箱としてまとめて捉える」のが成功の秘密です。大きな箱を後から細かく分割(部屋割り)していけば、形や位置が狂うことはありません。
測量が難しい細かいパーツの位置は、完璧を目指さず「およその目測(1/2より少し左、など)」を活用して気持ちを楽に進めましょう!
3. 生きた線を重ね、表現を膨らませる
下書きの線(鉛筆H)で正しい「部屋割り」が整理できたら、表現力のある生きた線(鉛筆4B)を描き入れていきます。
線画(画像5)の段階で、描く対象の質感を考慮しながら「線の太さ(太〜細)」や「筆圧の強弱」を加えておくと、ここから鉛筆デッサンとして仕上げることも、透明水彩で着彩を始めることも可能な万能の下地が完成します。
測量は骨が折れる作業です。
正面から見た建物はパース(遠近感)がつかないため平面的になりがちですが、このように線の使い分けや水彩の滲み表現を工夫することで、味のある素敵な絵画作品へと昇華させることができます。
おわりに
この課題で最も重要なのは、「正確な比率の最初の四角い箱を、画面全体のバランスを見ながら正しく入れること」です。
パーツ(情報)を細かく書き込んでから「全体のバランスが崩れていた!」と気づいて修正するのは、精神的なダメージがとても大きくなってしまいます。だからこそ、「線の少ない初期段階で修正すること」、そして「およその目測を上手く使ってストレスを溜めないこと」。
この2点を心がけて、形どりのプロセスそのものを楽しんでいきましょう!
平賀美術倶楽部 平賀太朗
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