【東京/大人の絵画教室】講師作品
こちらの絵はまだ授業では使用していませんが、『木の表現』の実験作品です。
葉の細かい表現に苦手意識を抱く方も多いですし、教室としても難しくはしたくないので、誰でも表現が可能なものでなくてはなりません。
この葉は筆は使用していません。
なんと、サランラップを使用しているのです。
工程① デッサン
鉛筆4Bで線を入れます。
木は自然物なので直線がありません。
建物、ベンチなどの人工物も木に合わせて、なるべく曲線的にし、曲線のリズムを作ります。
工程② マスキング
ここからサランラップが登場します。
サランラップを小さめに切り、クシャクシャに丸めます。
丸めることで、様々な不定形がラップの表面に生まれます。
このラップにマスキング液をつけて、印判の要領で画面に押します。
8/5のブログにも書きましたが、マスキング液(マスケットインク)というのは、白抜きインクのことで、水溶性ですが乾くとゴムになります。
着彩前に色を入れたくない箇所にあらかじめこのインクを塗って、乾燥後に着彩し、色が乾いたらゴムを指などで擦り落とします。
透明水彩は、一度色を置いたら、いくら明るい色を重ねても最初に置いた色よりも明るくなりません。
「白く塗り残すことが困難な箇所、背景よりも明るく残したい、白く残したい、」という箇所にはマスケットインク(白抜きインク)を使用します。
工程③ 着彩(影)
マスキング液が乾いたら、影を入れます。
ここでもサランラップを使用しています。
あらかじめ作っておいた色水にラップをつけて、丸めたラップの色々な面を押します。
画面の下部は、絵の具が乾かないうちに水を入れたスプレーを吹きかけています。
工程④ 着彩(固有色)
画面を完全に乾燥させたのちにマスキングを剥がします。
その後、工程③と同様にラップを押します。
多めに白抜きしている箇所に、光(紙の白)を完全に消さないように注意しながら、グリーンを入れていきます。
ここまで一切筆を使用していません。
工程⑤ 仕上げ
窓、戸に茶系を入れ、ベンチなどに不透明ホワイト(ガッシュ、ポスターカラーなど)を入れて完成です。
丸めたサランラップは何度も使用しているうちに柔らかくなり、エッジが効かなくなります。
おすすめは、腰の強い『旭化成』です😄
平賀太朗
〔東京の絵画教室/平賀美術倶楽部:水彩画、油彩画、アクリル画、パステル画、デッサン、その他様々な特殊技法が学べます。入会金無し。初日から手ぶらでOK。初心者のかたから経験者のかたまでお気軽にお問い合わせください。〕
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