【東京都葛飾区/大人の絵画教室】自由制作コース生徒作品講評(平賀美術倶楽部、初心者コース10月生募集中/経験者随時募集中)
《平賀美術倶楽部に通われている生徒作品の講評》
本作は平賀美術倶楽部の会員さんによるものです。
透明水彩の特性を生かし、重ねによる色のセロファン効果が美しいですね。
空気遠近法の
「遠くは青みが入り、近くは(影以外は)青みが無い」
「遠くはコントラストが弱く、近くはコントラストが強い」
「遠くは淡く、近くは濃く」
を守っています。
また、手前にある花ですが、現地や写真の情報をそのまま忠実に描くと、花が小さくなる、または、小さく見えるケースがよくあります。
遠近、奥行きを出すために、少しだけ嘘をつくことも必要です。
近景の、目の前にある手が届きそうな花は、実際よりも大きく描くという良い嘘です。名画や、とくに浮世絵などは誇張表現が見事です。
作風によっては浮世絵まで誇張する必要はありませんが、本作は、その成功例です。
上記の講評のほか、今回は、“制作の工夫”を紹介します。
それは、『コピーを活用する』です。
↓下の絵は、スケッチブックに鉛筆デッサンされたものをモノクロコピーをして、コピーの上から着彩し、配色のイメージを確認したものです。
こちらの完成イメージをもとに、本着彩へと進みます。
アクリル画や油彩画は修正が可能でも、水彩は、失敗すると描き直せないものがほとんどです。このように、“設計図”を作ると、迷いも少なくなり、筆遣いも軽やかになります。
この“設計図”を、【エスキース】と呼び、プロはこれを用意するかたは少なくありません。
必要に応じて「もっと大きく」「もっと花を増やす」などの文字情報を書き込むこともあります。
初心者のかたにとっては難しい作業ではありますが、慣れればエスキース作りも楽しくなります。
趣味の世界でも、プロになった気分で絵を楽しんでください。