【水彩画のコツ】新緑の京都・美山を描く――初心者の壁を破る「3つのポイント」と「光の導線」

query_builder 2021/06/30
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京都美山

皆様、こんにちは。「平賀美術倶楽部」の平賀です。 大人の趣味として水彩画を楽しまれている生徒様には旅行好きの方が多く、私も授業を通じて全国の名所の知識をたくさんいただいています。

今回ご紹介するのは、生徒様が旅先の京都・美山で描かれた素晴らしいスケッチ画です。 実は、作者の生徒様もかつては水彩画特有の「色水の量」や「絵の具の濃度」、「にじみのタイミング」に苦戦し、初心者が陥りがちな壁に悩まされていました。
しかし、今では見事に画材をコントロールし、現地の実物以上に美しい「絵作り」ができるようになっています。この作品を参考に、初心者が立体感のある風景画を描くための3つのポイントを紐解いていきましょう。



1. 視線を奥へと誘う「光の導線」

この作品で最も素晴らしいのは、小川の奥にある「光」へと見る人の視線を自然に導く、美しい構図の演出です。

舞台で主役にスポットライトを当て、周囲の脇役や黒子を暗くして引き立てるように、今回は川上の光が主役を務めています。 人間の目は、画面の中に川や道があると、自然とその行く先を辿ってしまう習性があります。絵作りをする際は、この「導線」の行き着く先を主役とし、そこに光やアクセントの演出を施すのが成功のコツです。



2. 初心者の壁を打ち破る「3つのチェックポイント」

初心者の頃に陥りがちな問題と、本作の熟練の技を比べてみましょう。



* 色の深み(混色): 初心者は標準的なグリーン(緑)をそのまま1色で塗ってしまいがちですが、本作では混色された様々なグリーンが互いに響き合っています。


* 奥行き(明暗の段階): 画面が平面的になってしまう時は、明暗の段階を意識します。本作では「遠くは淡く、彩度も低く」という基本を押さえ、明暗を3段階以上描き分けることで深い奥行きを表現しています。



* 筆使い(タッチの表情): 単調で等間隔な筆跡を避け、タッチに「強弱(大小)」「長短」「粗密」をつけることで、自然界のリアルな表情を生み出しています。





3. 「紙の白」を活かした計算された演出

タッチの工夫と同じくらい重要なのが、「絵の具を塗らずに残した、紙の白」の活かし方です。 奥の光を孤立させないよう、手前や中景にも白のリズムを作り(徐々に消えゆくように白を残す)、画面全体に光を循環させる計算された演出が光ります。



新緑の柔らかな曲線と呼応するように、鉛筆による「強弱」「太細」「揺れる線」「はみ出す線」「切れる線」を巧みに駆使した画面の四角い枠(額縁に見せた枠線)も、作品全体をきゅっと引き締める素晴らしい効果を発揮していますね。


今回の添削は、修正箇所が一切ありません。 「実に上手いなぁ……もうプロの領域ですよ!」


平賀美術倶楽部 平賀太朗

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